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そんなわけで、スカイツリーが盛り上がっている今だからこそ、あえて東京タワーに行ってみた。
僕自身はこれで3回目か4回目くらい。

展望台へのエレベーターこそ混雑していたけれど、この鄙びた雰囲気はどうだろう。

駐車場だって空いている。窓ガラスにその姿を映す車もまばらだ。







中華バイキングと銘打っているのだが、その実9割方のメニューは中華じゃないというお店には、中国からの団体客。




フットタウン。さびしい。







おなじみ蝋人形館のカオス。







屋上にも昭和の残り香!










建設当時は、日本を元気にする、というメッセージを背負っていたというのに……。

※ぜひ、こちらを見て頂きたいと思う。
プロジェクトX 挑戦者たち 東京タワー 恋人たちの戦い 〜世界一のテレビ塔建設・333mの難工事〜 - NHKオンデマンド







しかし、あらゆる建物-スカイツリーを除いて-を見下ろす特別展望台に登って感じたこともある。
考えてみれば、六本木ヒルズも、東京ミッドタウンも、汐留も、お台場も、どうだ、東京ウォーカーだの、TOKYO1週間だのの誌面を賑わせていた頃からは、ほんの10年も経っていない。だが今はどうだろう。行ってみても、遠くから眺めても、さほどの感慨はあるまい。

その点、東京タワーの、シンボリックな役割だけは、未だ消えてはいないだろう笑!東京タワーから、東京タワーは見えない笑。東京タワー、それは多分、若者にとって、行くためにある場所ではなく、遠くから眺める場所なのだ。

それはまるで、独楽の芯のようにきっちりと、ど真ん中に突き刺さっている。
東京の中心に。日本の中心に。ボクらの憧れの中心に。
きれいに遠心力が伝わるよう、測った場所から伸びている。
時々、暇を持て余した神様が空から手を垂らして、それをゼンマイのネジのようにぐるぐる回す。
ぐるぐる、ぎりぎり、ボクらも回る。
外灯に集まる蚋みたく、ボクらはやって来た。見たこともない明かりを求めて、それに吸い寄せられた。故郷から列車に揺られて、心揺らして、引き寄せられた。

弾き飛ばされる者。吸い込まれる者。放り出される者。目の回る者。誰の力も及ばず、ただ、その力の向かう方角に引っ張られ、いずれかの運命を待つばかりだ。

東京タワー/リリー・フランキー

スカイツリーが出来ても、東京タワーの、こういうところだけは変わらないんじゃないか。すくなくともあと20年くらいは多分。