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未来をひらく福沢諭吉展 −慶応義塾創立150年記念−

小さい頃から1万円札で見てきたほか、某地元新聞社の最終面接で、そこの社長に
「キミはホントウに熊本出身かね。東京で慶應高校あたりを出て受けに来てんじゃないか」
などと返答に困るわけのわからないことを言われて落とされたことくらいが、
個人的な"塾長"に関する思い出でしょうか。

とはいえ、大半の方とっての福沢諭吉とは、
やっぱり"1万円札の人"、その位の印象でしかないのではないだろうか。
同じ私学の雄である早稲田-当時は東京専門学校-を作った大隈重信の方が教科書的な事績は多いような気がしてしまうし、
学校では「明六社」以外ほとんど話を聞いた記憶がないのだから、
何故彼が最高額の紙幣の顔に選ばれ、いまもそうであり続けるのか分からないのは確かである。

そう考えてみると、福沢諭吉とはけっこう不思議な存在だ。
誰でも顔を知っているけれど、実際のことはよく知らない。
慶應に入ると「福翁自伝」が配られるんだろうと思っていたけど、
そういうこともないらしいから、OB・OGでさえよく知らない人が多いのかもしれない。

そんなわけで、今回の展示を見て来ました。
手塚の「陽だまりの樹」に一風変わった人物として出て来る幕末の頃から最晩年までを、所持品、書簡、関連した人物との手紙などで紹介していた。

愛用の居合刀も展示されていて、晩年まで一日1000回の抜刀を欠かさなかったとか、
健康に特に気をつけていたという知らなかった一面を知ることができた。

どうしてもそういう方面に関心が行ってしまうのですがw、
個人的な一番の見所は「瘠我慢の説」で激しく攻撃した勝海舟からの手紙。
「行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張、我に與らず我に関せずと存候。」
の有名な一節の部分を見ることができました。

福沢を1万円札でしか見たことがない、という方、是非行ってみられては。


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